本校自動車科では、三級自動車整備士の取得をめざし、日々自動車について学んでいます。平成26年度、自動車科は30周年を迎えました。その記念に誰も見たことがないクルマを製作したい・・・
30周年記念製作プロジェクトはこうしてスタートしました。
どうせ作るのならば先輩たちが製作した数々のものを超えるものづくりをしたい。そこで、ものづくりの原点である「好奇心を形にする」をテーマにしました。
京商製「ガンローラー」をモデルに今までにない夢のクルマの製作を開始しました。
今までにないクルマだけに、失敗も多くありました。転倒の危険性があった最初の設計を一新したり、製作した発電機が安定した発電をしなかったり・・・。試行錯誤を繰り返しました。「新たに作り出す」ことがこんなにも難しく、大きな壁が立ちはだかりました。
高く大きな壁も、ゼロハンカー製作で培った技術とチームワークで乗り越えました。得意を活かし、苦手をカバーしあいながら、だんだんと形になっていくヘキサローラーに疲れも忘れて作業に取り組みました。
平成27年1月17日、「2015高校生テクノフォーラム」で、出来上がった車両についてまとめた「全方位移動型6輪プラグインハイブリッドの製作」を発表し、最優秀賞に輝くことができました。
出来上がったのは、まるでSF映画から抜け出してきたクルマ。アニメで見た多脚戦車タチコマ、ロジコマ(「攻殻機動隊」)のような車両で、発表中や展示中は多くの方に注目していただけました。
全方位移動を可能にした驚異の6輪駆動高機動マシン・零伍式6輪高機動戦闘車
アニメ「攻殻機動隊」に登場する、4本の脚と2本の腕を持ちAIによる自律行動を行う多脚戦車「タチコマ」や、歩兵兵站用輸送支援車両「ロジコマ」
安全性、走行性、操作性に視点を置いた設計。細かな図面によりその後の作業性も向上した。
発電機は始動不良のジャンク品を購入。普段学んでいる自動車整備の知識を活かした分解整備により復活させた。
オムニホイールはもともと2枚が1セット。それを2セット組み合わせることで荷重に耐える1輪のホイールとした。
悪路でも走破できるよう、6本のアームにはそれぞれ2本のサスペンションを搭載。スイングアームとしての機能を果たす。
6輪の駆動は6基のモーターが行う。配線は複雑を極め、PCを接続しての制御系の設定にも苦心した。
電飾は消費電力の少ないLEDを採用。点灯時、まるでSF映画の世界にいるような気持ちにさせてくれる。
悪路でも走破できるよう、6本のアームにはそれぞれ2本のサスペンションを搭載。スイングアームとしての機能を果たす。
モーター | ブラシレスDCモーター 750W48V×6 |
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メインバッテリー | M24(マリン用ディープサイクル) 12V×4(直列) = 48V |
サブバッテリー | 制御装置用電源(コントローラー・サプライ用) 12V×1 = 12V |
コントローラー | ブラシレスDCモーターコントローラー 48V20A ×6 |
オムニホイール | 10インチ・ダブルアルミ・オムニホイール 2組×6脚 = 12セット |
サスペンション | 320㎜車高調ショックサスペンション×12 |
駆動方式 | チェーン駆動式6WD(減速比 3.33) |
走行パターン | 前後進、左右旋回、左右超信地旋回、左右斜め移動 左右サイドスライド、左右ノーズインサークル テールインサークル 計18通り |
全長×全幅×全高 | 2184×2298×1250㎜ |
ホイールベース | 前後:1930㎜ 左右:2052㎜ |
車両重量 | 約300㎏(空車状態) |
乗車定員 | 1名(100㎏まで) |
発電機 | 750W48V×6ホンダ製EM550:100V‐550W/60Hz12V-8.3A(ジャンク品を購入し、分解修理) |
外部入力電源 | 交流100V(家庭用電源) |