悔しい敗戦の夕方から新チームは練習してます。そして、夜、風呂に浸かりながら構想を何パターンも練ります。あいつのここを伸ばして、こいつがこうなればあーしてみよう…良い部分も欠けてる部分も、ケガ人が出た場合、コロナの影響も考えて10パターン以上考え、風呂上がりにメモ。それを練習試合で試していきました。その中から、修正を繰り返します。チームで出来ない事は、練習します。ただ、個人で欠けてるものは、個人練習しかありません。ただ高校野球で、一般的に個人練習をする時間は作るチームは少ないと思います。また、選手が明確にプランを立てて取り組むのも難しい事です。
今回は、足が異常に速いけど打てない石原君。守備は、ダントツに上手いけど打てない横山君にフォーカスして、50,000スィングを夏休みの宿題として課しました。2人とも、この炎天下の中、ひたすら振りました。そして見事に、2人ともやり遂げました。途中、弱音から数が伸びなかった石原君には、強烈に説教もしました。逃げたら終わりなんです。何とか8月30日に横山君、31日に石原君がやり遂げました。2人とも、ラスト30球は、みんなの前でやります。みんなの声、カウントダウンにパワーをもらいます。そして、最後に胴上げ! みんな見てるんです。それを見て、自分は何をしないといけないのか、考え実行してくれたらと思います。
ちなみに、石原君は、最後にボールを片付けてる時に話しかけると、少し泣いてました。そして、最高の笑顔で「やり遂げました!」と言いました。何かをやり遂げるって、凄く大切です。一生の自信になります。さぁ、どんな結果が出るのか楽しみです!
最近の世の中、コンプライアンスに○○ハラスメントばかり、無理する場面がなくなります。ストレスを感じる場面がなくなります。どこで、強くなれるんでしょうか? 吉田松陰は松下村塾の弟子に「狂いたまえ、諸君」と言ったそうです。それを本か何かで読んだのであろうスティーブ・ジョブスもスタンフォード大学かどこかで、学生に「Stay Hungry. Stay Foolish.」と言ってます。伊藤博文(愛人は数えきれない程)も松方正義(酔って大砲を撃ち人を殺したなど)も、今の時代では生きていけないぐらいエネルギーを持っていたのは確かでしょう。人間は様々なものを作り出し便利になったように感じますが、自由がなくなり相互監視が進み、過干渉になり、自らの意志で考え生きる力を失っているように感じます。我がチームは、エネルギー溢れる人間に育って欲しいと思います。
そんな型破りな人間を育てるためには、まず破る型を身につけないといけません。コツコツやってコツを掴み、何回も何回も飽きるほど反復するんです。我慢するんです。我慢させるんです。コツを掴めば、上手くはなります。上手さだけでは勝てません。強さが必要なんです。そこからやっと始まるんです。50,000スィングが終わっただけで、選手として、これからが始まりなんです。
我慢する力が強さです。