2020.11.15レスリング部
学びの姿勢②
人類の2本足歩行は、不安定なそのバランスを保とうとすることで知能が高くなった言われています。まずは、自分の足で競技に適した正しい構えをマスターすることです。正しい構えは、競技力の向上と怪我の防止の基礎をつくります。
次に動き方の練習は、地面から適当な力を受け、下丹田からエネルギーを発動し、骨盤、肩甲骨、四肢までのスムーズに連動する連動の体得です。體に芯を感じ、しなやかな動きをイメージすることで自分のものになっていきます。
レスリングの場合は、最小限の力でしっかり自分の足でマットに立ち、組み合う際にも最小限で相手に触れ、前と円に動き都合の良い位置をとることです。すると相手は、壁か空気と戦っている様な感覚になり、戦術(戦いを略す)が生まれます。レスリングの基本は、力でもパワーでも柔軟性でもありません。相手に力を出させないようにする術です。
レスリングは陸上競技と共に、古代から存在するスポーツ、それは生きるためにうまれた本能の競技です。しかし、紀元前776年に始まった古代オリンピック実施の目的は、当時、日常的に行われた戦争を止めて休戦すること。と記載されています。安全でなければ、睡眠も食事もスポーツも恋愛も楽しめませんね。そして、生きていくためには、共存していく知恵は不可欠な要素です。
最後に、学びの姿勢は、不安定な自分の心技體の未熟さを認めることから始まります。そして、空中では何も活動できない現実を知ると、その場所、すなわち地面をお借りしているという素直な気持ちが芽生えてきて、邪魔をしないように最小限の力ですべてにのものに接するようになります。ここが理解できると上手くなります。この考え方と所作の継続を望みます。