おかやま山陽高等学校 | Okayama Sanyo High School

2013.07.01硬式野球

監督のぼやき・・・12 「実験」

冬は日本中の高校の野球部が、トレーニング!走れ!とやっていると思います。私も、いつも毎冬に、早打ち10万スイングというのをやっていました。これには成功体験があって、ある年の足の速い選手が、右から左に変えました。その選手の新チームから秋の終わりまでの打率は1割8分・・・。ならば思い切って左にしよう!となりました。昔、ゴルフの関連した仕事をしているときに、フェードしか打てないプロゴルファーがドローを打つのに5万スイング必要。しかも、それをトーナメントで使えるものにするには更に2万スイングが必要だと聞いたことがありました。だから、その選手にはプロで7万スイング必要なら、アマチュアの我々は更に3万スイングして10万スイングぐらいは必要なのではといって始めました。その選手は3年生のシーズンで3割5分を打ち、一番打者として大活躍してくれました。その成功があったので、何年も続けました。ところが、ここ数年、疑問が頭にこびり付いていました。10万スィングする年としない年で、チーム打率はどれぐらい変化があるのか???  しかし、全くしないというのは怖いもので、なかなか踏み切れませんし、同じ選手が同じ相手とするわけでもないので、比較もできないというのもあり、実行しませんでした。
ところが、あることがきっかけで昨年は、早打ちの10万スイングをしませんでした。単純な比較はできませんが、例年の選手のレベルと変わらない、対戦相手も同じような感じですので、目安程度にはなるかと思います。結果的にいうと、チーム打率には影響しませんでした。むしろ、多少上がっていたぐらいです。10万スイングするには、4ケ月間のオフシーズン、約120日、週1回の休み、冬季休み、テスト期間をひいて、計算すると約500時間の練習時間がありました。早打ちは60セット(600スイング)に50分必要です。ペアでやりますから100分です。10万スイングは60セットを167回。100分×167回÷60分=278時間 にもなります。これだけの時間を使って、チーム打率に影響しないのであれば、別なことに時間を使ったほうがよいというのが結論だと思います。勿論、打率が、全てではなく、大事な時のポテンヒットでもいいから・・・というと何とも言えませんが、勝敗ではなく、野球人として少しでもレベルアップするという観点で言えば、無駄かなっと思います。振込み、走り込み、投げ込みという言葉がありますが、疑問が出ます。どの練習が、どれだけ上達に役立ったかは、本人の思い込み次第というのが野球界ではないかと思います。その思い込みが、自信になるので良いのですが。しかし、指導者としては、一秒でも早く上達させてあげたいので、これからも今までの自分自身の経験、練習メニュー、伝統、当たり前に言われ続けていることにも疑問を持ち、改良していきたいと思います。ちなみに、昨年、多くやっていたのはフットサルでした。3年ぐらい前から取り入れていましたが、一昨年から昨年春までは、特によくやりました。いろんな方が見学に来られましたが、賛否両論。しかし、先日NHKの番組で、フットサルは若年層の野球選手には非常に有効であるという内容でした。嬉しかったですね~。

次回オープンスクール
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