おかやま山陽高等学校 | Okayama Sanyo High School

2013.07.01硬式野球

監督のぼやき・・・6 「スポーツと少子社会について」

なかなか高校野球の監督同士では友達といったものにはなれませんが、一人かわいい後輩というか友達がいます。彼のチームは、今8人しか部員がいません。聞いてみると、サッカー部は9人、ラグビー部は7人とかで同じく公式戦に出ることができない・・・。だったら、すべて合同でやればよいのにと思いました。前職で、福岡県の総合型スポーツクラブのアドバイザー的な仕事をしていた時に、何度も企画提案したことでした。日本は、少子化が進んでいます。確実に、子供の数は減っています。特に、地方は悲惨な状態です。しかし、その子供達の受け皿となっている日本のスポーツ界はさほど変化しない。それでも皆さんスポーツ好きですから、地域の少年野球チームで選手12人、指導者8人なんていう贅沢なチームがよくあります。
今から10年間に総合型スポーツクラブをサッカーくじ(TOTO)の収益から発展させようと日本中の自治体で取り組まれた。どれほどの変化があったであろうか? 残念ながら、少年野球や少年サッカーといったメジャースポーツ団体は、取り組めていない。年何回か行政中心にする、イベント団体でしかないのが現実だ。その割には、助成金などの申請・報告など書類が山のように必要になる。
本当に目指した地域総合型スポーツクラブとは、ヨーロッパのスポーツクラブをモデルにしようということだった。ヨーロッパのスポーツクラブとは、夕方になれば会員の子供、家族がクラブに行き、所属するチームのスポーツをします。もちろん、しない人もいます。ただ、クラブハウスで食事したり、衛星放送の海外スポーツを見ながらビールを飲む人もいる。いわば、社交の場なのである。一つのスポーツクラブに同じ競技で数チームあるものもあり、そういった場合はクラブの中でリーグ戦をする。そしてクラブの選抜チームをつくり、他のクラブと戦う。そしてナショナルチームが結成されるというのが基本パターン。しかも、一つの競技だけでなく、シーズンスポーツ制だから、季節ごとに2~3種目をこなす選手も多い。もちろんサッカーのビッククラブなどは1種目のところもありますが・・・。どちらにしても、小学生から大人までの一貫したピラミッド型であるから、日本のようにブツ切り型のチーム作りではない。こういったスタイルの方が目先の勝利にとらわれることなく指導されること、多種目することにより神経系の発達はよいのではないかと言われています。しかも、費用は個人の会費と潤沢なスポンサー料(地元の貴族層や地主からの寄付など)で、ゆったりと運営されている。
しかしながら、日本の総合型スポーツクラブは、すでに存在していたスポーツ少年団に協力をしてもらいながら、会費もほとんど集まらず、わずかな助成金を得るために書類に追われる。担当者は、役所の職員が多いため、数年で変わるのが実情。社会体育から始まったヨーロッパと学校体育が土台となった日本とのスポーツの土壌の違いではないでしょうか? だからといって、このままでは日本のスポーツは危ない。どこかで誰かが変化させないと・・・。
本チームが、将来、少年野球から大人のクラブチームまでの『SANYO BASEBALL CLUB』に発展できるかもしれないと思っています。もちろん、小中学生は、シーズンスポーツ制で・・・。サッカー、バスケット、水泳、フラッグフット、卓球、マラソン、色々考えられます。さいわい、本野球場は、広大な敷地があり、バスケットコート、フットサル、卓球なんでもあります。そんな地域スポーツの拠点になることができたら、日本のスポーツ界に何か新しい風を送り込むことができるのではないでしょうか?

次回オープンスクール
11/23(土)
申し込みは
こちら >